原理について
原理
蛍光X 線分析法は、分析対象試料にX 線(1次X 線)を照射して含有元素の原子の内殻電子を励起し、励起された不安定な状態(内殻上に空孔が生じた状態)から安定状態に戻る時に発生するそれぞれの元素に固有の波長(エネルギー)を持ったX 線(蛍光X 線)を観測することによって、分析対象試料の含有元素を定性又は定量分析する方法です。
蛍光X線膜厚計の測定原理
1.測定対象物の表面にX線を照射します。
2.皮膜と下地の構成元素から、元素毎に異なるX線が発生し、表面から放出されます。
3.蛍光X線を検出器で検出し、皮膜と下地の成分が異なることを利用して分別します。
ここで、検出強度は、膜厚が厚いほど皮膜成分の検出強度が強く、下地成分の検出強度が弱くなります。
4.検出された強度に対応する膜厚を測定結果として出力します。
X線の発生について
X線管は電子を高電圧で加速し、金属の陽極に衝突させてX線を発生させる。
X線を取り出す窓は、一般的には、ベリリウム箔が用いられている。ターゲットには、タングステン、ロジウム、モリブデン、クロムなどが用いられている。これらのターゲットは、分析する元素によって使い分ける。分析目的元素と同種のターゲットをもつX線管は原則的に使用しない。
検量線について
濃度がわかっているサンプルを数点実際に測定することで、検量線を引き、測定したい元素の蛍光X線強度と濃度との間の関係を求めておき、その結果を元にして未知試料を測定して得られた蛍光X線強度から濃度を求める方法
測定値を目的物質の量に換算するために検量線を引きます。
主要部品
X線管球